★日時 2010.11.23
★メンバー ふく(記)、牛引
11月30日に発生した、室堂での雪崩事故では、2名の方が亡くなられ3名の方がケガをされるという痛ましい結果となりました。
しかし、居合わせた多くの方がビーコンやスコップ、プローブ等で迅速に救助活動をされたと報道されています。
きちんとした装備を持ち、また普段より地道に訓練をされていた事がうかがわれ、居合わせた山仲間の連帯にも感銘を受けました。

ところで、ちょうどこの事故の1週間前に事故現場の近くで雪訓をしていました。
当初はこの様な記事にする予定ではなかったのですが、雪山安全登山に少しでも参考になることが有ればと思い報告することにしました。

★訓練内容
1、読図:雪山では他の季節に比べ読図はよりシビアになります。
最近ではGPSで簡単に位置特定が可能ですのでこれを利用することは大変有効です。
しかし機械は壊れることも、電池切れもあります。
従来の地形図、コンパスを使用した読図もきちんとマスターし、より高い安全を目指す事は重要です。
今回は、コンパス使用法を中心に実施しました。内容は以下の3点
地形図で進むべき方向をコンパスにセットする。
自分の位置が分からなくなった時、コンパスを使い近くの分かる地形から現在地を特定するクロスベアリング。
山座同定のコンパス利用法。

2、アイゼン、ピッケル使用法
牛引さんは、アイゼン、ピッケル未体験ということで、アイゼン歩行、ピッケル使用の講習を行いました。
しかし、パウダー雪だったので、形だけのものに終わりました。

3、弱層診断
室堂からコンパスにセットした浄土山展望所に向け平原を真っすぐ行くと、傾斜がきつくなり斜面にかかります。
ここでこの斜面をこのまま進むべきかの判断をすべく行いました。
これに関しては雪崩講習会を受講している、牛引さんの方が詳しいようなのでショベルコンプレッション診断をいきなりやって頂きました。
結果は写真のとおり、手首3回で上部の新雪40cmが剥離脱落しました。
このまま進むのは危険と判断し、谷から尾根に進路を変更しました。

4、ビーコン
室堂バスターミナルで、お互い送信、受信で機能に異常がないことを確認し出発しました。

5、ビバーク技術
雪洞は作れる条件が制約されるので、とにかく雪があれば割合簡単に作ることができるスノーマウントを作りました。
パウダー雪と斜面に造ったので案外時間が掛りいまいちの出来でした。

6、滑落停止
パウダー雪で形だけの訓練に終わりました。

7、確保技術
スタンディングアックスビレイをやりたかったのですが、時間切れで出来ませんでした。

今回の雪崩事故で改めて雪山の怖さと訓練の重要性を再認識した次第です。
亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。また、ケガをされた方の早い回復をお祈りいたします。


 
室堂出発時点では視界悪い。             斜面に入り弱層診断。
 
手首3回で新雪40cm剥離脱落。          さらに診断するが下層は大丈夫。
 
ガスがあがる。                   元気いっぱい。
 
特にコメントは・・・                スノーマウント
 
入ってみる。斜面に作ったのでいまいち。       こんなきれいな景色ですが危険は潜んでいます。