toyama-rouzan's blog

富山勤労者山岳会(略称:富山労山)の山行報告です

  笠谷下部〜ヒアケ谷下部

★山行日
2018年8月5日(日) 快晴
★メンバー
K隊長、機関車、沢ヤか?Y
★コースタイム
6:00・800m出発−6:32・950m支沢に入る−6:39本流−7:32ヒヤケ谷出会い
−8:30朽ちたトラック−8:36右から支流−8:40・12m直瀑〜9:00
−10:00ヒヤケ谷出会い〜10:10−11:00林道のトンネル−11:10・15m直瀑〜11:40
−12:00・30m直瀑「シャクナゲの滝」ここで終了〜12:20−13:15林道
−14:45到着(途中堰堤で体、ロープを洗う)

 無性に笠谷に行きたくなり、錫杖のコルに上がる日帰りルートを考えた。ネット上の記録の多くは林道を3時間歩き1220mの二股から左俣を遡行しているが、右股から錫杖に抜ける記録は見当たらない。今回、笠谷下部の様子も確認したかったので、林道歩きは1/5のみとし900mから本流に入ることにした。
 ところが当日、K隊長から日本登山大系の記録を見せてもらい、今回のルートが掲載されていることに唖然とした。1220m二股からコルまで5〜6時間かかるとのことだった。ここで迷った。下部も歩きたいが、やはり錫杖に抜けたい。一方、ここ1ヶ月は雨が降っておらず、水量は少ないはず。下部を歩くには申し分ない状況だ。ネットの記録によればヒアケ谷出会いまでは問題はない。問題は、そこから二股までの約2kmだ。地図だけの予想だが何とか行けそうだ。熟考した結果、決行した。 しかし、結局ダメだった。 先週に引き続き、計画立案の甘さが露呈してしまった。
 予定通りに取水口付近に車を止めて出発。30分で予定の支流に入り、40m降りて本流に出て遡行開始。通常より水量は少ないようで、渡渉に苦労することはなかった。ヒアケ谷出会いまで1時間で到着。順調だ。その後、釜をもつ小滝や淵が出現しはじめ、足が着かないヘツリもあり、時間がかかり出した。ヒアケ谷出会いから丁度1時間、右に90度折れるところのゴルジュの向こうに朽ちたトラックの残骸があった。そこから3分で右からの支流が入り、左に大きく曲がって150mほど進むと、轟音とともに広大な釜をもった豪快な12m大滝に出た。どう見てもこれを超すには1時間以上のかなり危険な高巻きになる。その後も二股までは読めない。二俣以降の6時間を考え合わせると、これ以上進むことは困難と判断し、9時前だったがここで終了とした。
 林道から帰ることになるが、林道に上がるにはヒアケ谷を遡行するのがよさそうである。せっかくの機会なので、ヒアケ谷に二つある滝マークの一つ、シャクナゲの滝まで遡行してみることにした。
 ヒアケ谷出会いまで戻る。時間はまだ10時。遡行再開。入口は15mすだれ滝。体系では40mになっている。ここは左から簡単に巻ける。その後、ゴーロとナメが混在し、釜をもった美しいナメ滝もあった。出会いから50分で林道下の巨大トンネルを潜る。10分後、ゴルジュ入口に釜をもった15m直瀑に出る。左岸4m上のバンドに上がれば突破できそうだが、バンドが一部欠かけている。そこを避けるには釜の中から取り付かなければならない。結局、右から高巻き、25m懸垂で滝口上の2m小滝上に降りた。そこから小滝を5つ超えると、30m直瀑がシャワーのように降注いでいた。シャクナゲの滝(登山大系では40m)というそうだ。沢上谷支流の岩洞滝に似ている。今回は水量が少ないので迫力に欠けたが、後で過去の写真をみるとザクロ谷の手毬滝のようである。
 ここで大休止し、来た道を戻った。残置したロープを使った高巻きにやや時間が掛かったが、約1時間で林道に戻り、その後、1時間30分の林道歩きで、駐車地点に戻れた。
 当初の目的を果たせず不本意ではあったが、笠谷下部をほぼ遡行でき、ヒアケ谷下部をシャクナゲ滝まで行けたことは収穫だった。

 
林道950m付近から支沢に入り本流に出る。出会いは5m滝で左岸から降りた。
 
1時間でヒアケ谷出会い。ここまでは水量も少ないせいか難所なし。その後、釜を持った小滝が出てくる。
 
 
ナメもあり。淵のヘツリが時々出てきて、時間がかかり出した。渓相は非常に良い。
 
ヒヤケ谷出会いから1時間。右に折れたゴルジュに何か見える。朽ちた、トラックの残骸だった。
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1129mで左に曲がって150m。轟音ともに立ちはだかった12m大滝。高巻きには相当な時間が予想されたため、ここで遡行は断念。ヒアケ谷下部を見てくることにした。
 
下りのへつりは簡単。泳いでもOK。

1時間でヒアケ谷出会いにもどり、ここから遡行再開。15m直瀑は左から巻ける。その後の釜のある4mナメ滝は美しい。
 
ナメ滝、小滝が続く。直登可能なものばかり。
 
林道下には大きなトンネルあり。10分後の15m直瀑は右壁のバンドに上がれば行けそうに見えたが、無理せず右から高巻き、懸垂で降りた。
 
小滝を4〜5つ超えると30m直瀑(シャクナゲの滝 体系では40m)に出る。ここで終了とした。トンネルまで引き返して林道で帰った。