toyama-rouzan's blog

富山勤労者山岳会(略称:富山労山)の山行報告です

剣岳 源治郎尾根

・日時  平成24年9月1日(土)〜2日(日)両日とも晴れのち曇り
・参加者 風間トオル(L)、ブルースウイルス、ケン渡辺、山ヤN氏、眞子様、美子様(会員外)、cooper(記)

・コースタイム 1日(土)立山駅発9:30=室堂11:00→剣御前小屋(昼食)13:10〜13:50→剣沢14:28
2日(日)剣沢発 4:00→尾根取付5:18〜5:30→ルンゼ分岐点6:15→1峰8:37→2峰9:20→剱岳山頂10:20〜10:50→剣沢13:20〜14:00→室堂16:30着=立山駅着18:10


9時前に全員集合して一路立山駅へ。順調に乗り継ぎをして、室堂に到着。全員大型ザックを担ぎゆっくりと雷鳥沢に進む。久々に70リットルを担ぐので、バテないようにゆっくりと登った。剣御前小屋について遅い昼食をとる。ここから八ツ峰や源次郎尾根がはっきりと見える。横から見るとなかなか厳しそうである。雨が降る前に剣沢に到着。テントを張り、仕事で遅れて入山したLを待つ。夕食はサガリと野菜炒め。美味しくて、食もすすむ。食事の後はテント内でお茶を飲みながら、翌日の打ち合わせをし、7時過ぎに就寝した。

3時に起床し、4時に出発。剣沢からしばらく行くと雪渓に出る。気温も低くガリガリで、アイゼンを装着。小一時間ほど進むと源次郎尾根の取付に到着した。ここには目印もあり、わかりやすかった。食事を軽くとり、尾根に入っていく。踏み跡は明瞭で、一般ルートかと思うくらいであった。すぐにルンゼルートと尾根ルートとの分岐になる。ここは左の尾根ルートに進む。すぐに3mの岩場が出現。ホールドもないし、ちょっと滑っていやな感じ。残置ロープもあったが、伸びるので、信頼できるか微妙であった。ネットではこれが最初の関門とのことだった。Lと山ャN氏がなんなくクリアして、ロープを出して、安全に後続も登った。さらに木の根や枝の中を進み再び4m強の岩場が出現。ここはホールドも多く、登りやすいが安全を期して、Lがロープを出して、タイブロックを利用して登った。藪こぎをしながら進み、またもルンゼと尾根の分岐に来る。Lがルンゼを選択し、ここから右にトラバースしてルンゼルートを進んだ。最初は展望も開けて気持ち良く進むが、途中からだんだんと岩登りの世界へ突入。ホールドがしっかりとしている所はいいが、しばらく進むとついに10m弱の岩につきあたる。Lと山ャN氏に突破してもらい、ロープを出してもらう。最後はゴボウで腕力を頼りに登る。その後は草つきをしばらく進む。ルンゼの最上部に近くなると、再びガレ場で、とにかく落石だらけで、とても危なかった。最後にもう一度ロープを出してもらい、もろい足場にビビりながらも力ずくで登り、1峰から派生する支稜に出た。

1峰まではハイマツ混じりの急な岩稜歩きで、気が抜けない。たどり着いた1峰ピークから剣本峰がまだまだ遠くに見える。ここから八ツ峰の姿が美しく、アルペンムード満載である。この姿が見たくてやって来たのだ。1峰からはやせたナイフエッジをガクンといったん40m降りて、また100m強登る。2峰が近付くにつれてだんだんとガスも出て来て、本峰も見えなくなった。Lはさすがに早く、なかなか追いつかないが、私はロープを持っているので、早く行って渡さねばならない。2峰ピークを越えたら小ピークの右側をトラバースして懸垂下降地点に到着。Lがロープを設置していると、県警のヘリが飛んできて、機内から手で「しばらく待て」と合図を出す。2名の山岳警備隊員がヘリからロープで降りた。映画のワンシーンのような光景を見ながらも、何かあったことを確信する。10分後、ヘリが離れたら、懸垂下降開始。まずLがお手本を示す。私は1年ぶりの懸垂下降で、ちょっととまどって皆に迷惑をかけた。ロープを回収し、本峰に向けて浮石の多い岩稜を進む。

  ガスの中、2つのピークもどきを本峰と勘違いしてその都度がっかりさせられるが、一時間弱で本峰に唐突に乗りあげた。Lから握手してもらい、感無量である。眺望はないが、突然剣岳山頂というのもなかなか良かった。剣沢でもう一泊する山ャN氏とブルースとここで別れて、我々は別山尾根を剣沢に戻る。途中で警備隊員に救助された方を目撃した。剣山荘前の登山道では4羽のライチョウがお出迎えをしてくれた(最後の写真)。剣沢でテントを速攻で回収して、一路室堂へ。最終バスに乗るべく休憩なしで進む。室堂に着くころには、天気も良くなり、大汝や雄山が「良く頑張った!」と夕日に染まった顔を出してくれた。源次郎尾根もルンゼルートでは難易度がかなり高くなると思うが、そこを無事に周回できて、本当にうれしかった。また、帰宅したら、イッテQという番組で、イモトが源次郎にトライしていた。今日通った場所もたくさん映っていて、テレビを見ながら山行を振り返り、改めてLと同行者の方々に感謝の思いでいっぱいとなった。